パレスチナ情報センター

特集:ガザ入植地撤去と入植地再編

ガザ入植地撤去と入植地再編とは?

ガザ地区の状況に関しては、ガザ地区に関する資料集

Index:重要記事リンク 主な出来事 概説 撤去開始以前に公開された主な関連記事 主な情報源:関連サイト紹介

重要記事リンク

主な出来事と記事リンク

10月5日
イスラエルがガザ住民に脅しの文書を投下(P-navi info)
10月2日
ガザへの軍事行動の即時停止を求めます(パレスチナ子どものキャンペーン)
9月30日
休みの終わり(つつがある日々)即再開されたイスラエル軍によるガザへの攻撃について
ガザ イスラエルによる爆撃とその背景(1)(パレスチナ子どものキャンペーン)
ガザ、イスラエルの軍事行動とその背景(2)(パレスチナ子どものキャンペーン)
呆然とするガザ(パレスチナ子どものキャンペーン)
9月29日
25、26日の空爆状況@ガザ(P-navi info)
「西岸を併合」とシャロン顧問 砲撃と空爆がガザに(P-navi info)
イスラエル国防相「ルールを作るのはオレたちだ」 土曜から400人が逮捕されている(P-navi info)
さらに空爆も、逮捕作戦も続く 月曜だけで90人逮捕(P-navi info)
ガザ、さらに攻撃が続く 西岸では210人逮捕(P-navi info
金曜〜土曜 逮捕作戦やミサイル攻撃(P-navi info)
9月25日
ガザ撤退とその後(パレスチナ子どものキャンペーン)
9月22日
パレスチナ報道 2「そこは普通の街です」(P-navi info)
死の地帯を越えて──ガザからエジプトへ(ナブルス通信)
9月16日
以下3本は、ガザからの報告
未来を描く(つつがある日々)
脱力三連発(つつがある日々)ガザ・エジプトの国境を越える人々の話題など
ラッパー(つつがある日々)ガザのラッパー、ハマスにファッション・チェックを受け、アドバイスをもらう
ガザからエジプトに自由に行けた!─束の間の往来(P-navi info)
シャロン in NY、「ガザにはもう責任がない」(P-navi info)
9月14日
残留シナゴーグ問題 「毒入りギフト」(P-navi info)
「監獄が大きくなって嬉しいよ」─入植地解放を体験するガザの人々(P-navi info)
「私は『略奪』をしたのでしょうか」毎日新聞さんへ(P-navi info)(相変わらずお粗末で人種的偏見を露呈し続ける毎日新聞のパレスチナ報道についての検証記事です。毎日新聞の一連のお粗末さについては、8月26日 にも紹介しています)
「占領終結」とは言えない(P-navi info)
青年が撃ち殺される・ラファ(P-navi info)
9月4日
どんな自由が得られるのか…国境管理問題など(P-navi info)
西岸ビリーン村に襲撃 (包囲下にある?)(P-navi info)
9月1日
ラファのエジプト国境からイスラエル軍が撤退を決定、出入国管理はイスラエルが(パレスチナ情報センター)
ガザ、エジプトとの国境警備問題 他パレスチナ関連ニュース(P-navi info)
入植者、兵士からの暴力 ヘブロンで、イスラエルで(P-navi info)
入植者が戻ってきた! ガザ・マアニ地区(P-navi info)
ガザ:この2年間で忘れられない記憶 ジャーナリスト・ライラより(P-navi info)
蝕まれる東エルサレム マアレ・アドミム入植地拡大(P-navi info)
「E−1計画」の状況(PDFファイル)(30KB)エルサレムの入植地拡大計画について(中東調査会)
8月31日 イスラエル国会がラファのエジプトとの国境地帯からのイスラエル軍撤退を承認
軍は撤退しても、出入国の管理はイスラエルが引続き行うようです。
ラファのエジプト国境からイスラエル軍が撤退を決定、出入国管理はイスラエルが(パレスチナ情報センター)
欧州からの視察団、イスラエルに圧力をかけることを提案(P-navi info)
「撤退」後も封鎖に苦しむガザ(P-navi info)
8月29日
入植地はなくなっても、土地は戻ってこない?(P-navi info)
トゥルカレムの暗殺を追う 超法規的殺人と巻き添えになった犠牲者(P-navi info)
「家に帰るのに9時間、でも、テルアビブにはすっと行けちゃった」(P-navi info)
エルサレム旧市街のアラブ人地区にイスラエル入植地が!(P-navi info)
速報:ユダヤ人とパレスチナ人の殺害 追跡調査!(P-navi info)
8月28日 イスラエル南部のベール・シェバのバスターミナルで爆弾が爆発。2人が重体に。
上記の爆破事件の詳細は、明らかになっていません。
速報:イスラエルのバスターミナルで爆弾
8月26日
脱力するほどお粗末だったことで話題を呼んでいる、毎日新聞に連載されていたガザ特集の記事などを紹介
書かないことで嘘になる メディア検証(P-navi info)
毎日新聞の連載記事は、例えば 強制排除の兵士、命令と良心に板挟み
(すぐに記事はなくなると思われます。興味のある方はお早めにご覧下さい)

この連載を書いていた毎日新聞エルサレム支局の樋口直樹記者は、8月26日同紙の「記者の目」というコーナーにも登場し、様々な事情を鑑みてもなお「それにもかかわらず、入植者の強制排除に立ち会った私は、数百人から数千人規模の町々から絶望的な悲鳴とともに運び出される人たちを前に、こぼれる涙を止めることができなかった」と語り、イスラエルのシャロン首相の政策については「首相はガザ撤退で流された涙の重さを忘れてはならない。」「和平を望むと言いながら入植地を拡大し、治安情勢が悪くなったからと言って撤去するやり方は、国際社会ばかりでなく、自らの国民に対する背信行為だと思う」と、ユニークな自説を開陳しています。(イスラエルの入植政策が批判されているのは、それが国際法に違反し、パレスチナ人(何人でも同じです)の生活を破壊するからであって、樋口記者が考えるような、徹去するなら作るな、作ったなら徹去するなというような文脈ではないと思われます)
「ガザ撤退の歴史的な評価は、それが和平実現に向けた「最初の一歩」になるのか、それとも「最後の一歩」になるのかによって下されることになる。」と、この記事を締めくくった樋口記者ですが、そんな樋口記者の評価は、そういう樋口記者がこれまでどれほど入植地の存在を批判してきたのか、あるいは、これまでイスラエル人の悲劇だけではなくパレスチナ人の悲劇も同様に嘆いてきたのか、伝えてきたのか、それ以前に事態を把握し分析できているのかということによって下されることになると思います。
ごく一部の入植地の徹去で和平機運を演出したイスラエルが、ヨルダン川西岸地区でアパルトヘイト・ウォール(隔離壁・分離壁とも呼ばれる)建設のためにさらなる土地強奪を開始したとのことです。(日本でこのことを報道しているところで発見できたのは、いまのところ読売新聞だけです)
パレスチナ人の私有地収用開始、壁建設へ (読売新聞)
(追記:朝日新聞が紙面で大きく取り上げていました)
8月25日
「入植者たちがやって来て…」あるガザの家族の回想(P-navi info)
8月24日 イスラエル軍が西岸地区トゥルカレムで5人を殺害、うち3人は子ども
西岸地区の入植地は今も拡大(浅井久仁臣 私の視点「パレスチナ問題」)
“神聖な場所”からの撤退(浅井久仁臣 私の視点「パレスチナ問題」)
「ガザからの撤退」 ガザのおかんたちによる乗っ取り(P-navi info)
ガザに入植すると言い張る「失われた10支族」の人たち(P-navi info)
人の顔色をうかがう入植者(P-navi info)
入植地解体をみつめるパレスチナ人、しかしシャロンは(P-navi info)
「撤退」に対するイスラエル平和活動家からの肯定的視点(P-navi info)
(完成)西岸で入植者の暴力が激化(P-navi info)
8月22日
「撤退」の煙幕を取り払うためのファクト・シート(P-navi info)
イスラエル軍のガザ撤退に際して(パレスチナ子どものキャンペーン)
ガザ撤退に寄せて(アトファルナ便り)
「撤去できるね!」──「入植地」について思ういろいろ(P-navi info)
8月20日
This Week in Palestine, August Week 3(英語)
IMEMCによる、一週間のまとめ(MP3による音声ファイルもあり)
8月19日
イスラエルの言うことをちゃんと聞いてみよう──イスラエル・米国のねじれと協調(P-navi info)
連日ガザ特集を組んでいるアメリカの独立系テレビの Democracy Now!に、イスラエルの新聞「ハアレツ」の著明な記者でユダヤ系のイスラエル人のアミーラ・ハス(アミラ・ハス)が出演。(英語)
テキスト・ページ
動画を見る(約20分)
Democracy Now!
Weekly Report (11- 17 August 2005)(英語)(パレスチナ人権センター)
8月18日 
独房から雑居房に戻されたようなもの──ガザ「撤退」(P-navi info)
「『撤退』について自分の町の新聞に意見を送ろう」ISMより(P-navi info)
8月17日 またイスラエル人が銃を乱射、西岸でパレスチナ人4人を殺害
イスラエル人入植者、西岸でパレスチナ人3人を殺害、負傷4名(P-navi info)(死者が3人から4人に増えました)
6.26集会報告:イスラエルの「ガザ回廊からの一方的撤退」は《勝利》か? 岡田剛士(イスラエル首相シャロンを許すな!来日反対キャンペーン)
撤退計画の概要:The Disengagement Plan - general outline (英語)
上記の文章でも抄訳が紹介されている、イスラエル政府のガザ入植地「撤退計画の概要」。(これは特にマスコミ関係者の方々にはお薦めです)
ナブルス通信8.12 「撤退」直前号(P-navi info)
8月16日 撤去作業続く中、入植者らがパレスチナ人地区を襲撃↓
ガザ地区の入植地ネヴェ・デカリムにいた入植者(および反対派)が、パレスチナ人の暮らすマワシ地区の2つの区域に侵入、「家々に投石し、家に火を着けようとした。住民たちは集まって、入植者らが去っていくまで、叫び続けた。その後、イスラエル軍がマワシ地区に侵攻し、家に押し入って家宅捜索を続け、17歳のファディ・ハデル・ゾロブを逮捕した」とのこと(P-navi info より)。(襲撃をしたのは入植者たちですが、逮捕されたのはなぜかパレスチナ人。これはよくあるパターンです)
アメリカの独立系テレビの Democracy Now! が、ガザ入植地撤去の特集番組を公開中 (英語)
パレスチナ人権センター のラジ・スラーニさんや Electronic Intifada のアリ・アブニマーさんなどが出演。47分の番組中、前半の30分程(後半はインドネシアのアチェ関連の話題)。
テキスト・ページは、
Israeli Settlers Resist Gaza Pullout, Palestinians Call for Withdrawal from West Bank
(番組を見るには、下記のリンクか、テキスト・ページの [Watch 128k stream] か [Watch 256k stream] というリンクにアクセスしてください。どちらにアクセスしても、回線速度に見合った動画が再生されると思います)
動画を再生 (再生には、RealPlayer が必要)
8月15日 ガザ入植地撤去開始
撤退騒ぎ(つつがある日々)
8月13日 イスラエルのテルアビブで、ガザの入植地撤去に反対する10万人規模の集会が開催される
一方的「撤退」を前に ──小間切れの情報をつないで(P-navi info)
8月10日 ガザ地区南部ラファで、家の外にいた青年がイスラエル軍に射殺される
ラファとトゥルカレムで青年が殺される(P-navi info)
8月 4日 イスラエル軍兵士がバスで乱射。アラブ系住民4人を殺害し10数人が負傷
入植地撤去に反対するイスラエル軍兵士がバスで銃を乱射、4人を殺害し10数人が負傷(パレスチナ情報センター)
7月29日 ガザ地区南部ラファで、自宅にいた4歳の女の子と21歳の女性がイスラエル軍によって銃撃される
ラファで4歳の子どもが自宅にいて頭部を撃たれる(P-navi info)

概説:ガザ入植地撤去と入植地再編とは?

「イスラエルのガザ撤退」と各所で報じられているものについて、いま一度その内容を簡単に整理しておきたいと思います。

ガザ地区には、21ヶ所の入植地があり、6000人から8000人ほどのユダヤ人入植者がいるとされています。その6000人から8000人ほどのユダヤ人入植者がガザ地区の土地の約40パーセントを占有し、残りの土地で130万人のパレスチナ人が暮らしています。パレスチナ人の暮らす地域の多くがイスラエル軍の攻撃によってなんらかの破壊を被っており、さらには世界一の人口密度といわれる一方で、入植地は、ところによっては郊外の高級住宅地のような、あるいはのどかなリゾート地のような街並みが広がっています。また入植者は、合法的に武装しています。イスラエル政府も、入植者に銃の配布を行ってきました。

2003年12月、これまで入植地拡大を積極的に行ってきたイスラエルのシャロン首相(元軍人で、いくつかの虐殺事件にも首謀者として関わってきた)が、ガザ地区にある入植地を撤去するとの方針を打ち出し、多くの反対に合いながらも 2004年10月それがイスラエルの国会でも承認されました。

これは、パレスチナとの交渉の結果ではなく、イスラエルが一方的に決定したことでした。よって、その具体的な内容についてもう一方の当事者であるパレスチナ側と協議が行われることもなく、イスラエルの主導で、つまりイスラエルの都合のいいようにことが運んでいます。それが「一方的分離(一方的撤退)」政策といわれる所以です。

今回実施されるのは、ガザ地区にある全ての入植地とヨルダン川西岸地区のごく小規模な入植地4ヶ所の撤去ですが、制空権や制海権は依然イスラエルが握ったままです。また、人や物資の移動もイスラエルのコントロール下におかれたままで、イスラエルは好きなようにそれを制限することができます。ガザ地区とエジプトとの国境には、イスラエル軍が配備されたままとなるようです。したがって、これを「撤退」と呼ぶのは、かなり無理があります。

確かに、入植地を守るためにいたイスラエル軍は入植地の撤去にともなって撤退します。しかしながら、今までがそうだったように、ガザであろうとどこであろうといつでも好きなときにイスラエル軍は侵攻できるので、事実上の軍事占領状態であることには違いはありません。

パレスチナの一部の抵抗グループがガザの入植地がなくなっても占領が続く限り武装放棄しないと宣言したというようなことが、そら見たことかとばかりに大きく報道されていますが、残念ながらその態度はイスラエルも同じで、イスラエルも入植地の撤去は公言していますが攻撃をやめるとは明言していませんし、実際に「停戦」合意後も繰り返し攻撃を行いパレスチナ人を殺害し負傷させてもきましたし、入植地撤去に伴って大規模な攻撃を仕掛けるとも公言してきました(が、そのことは取り立てて報道されません)。

最大の目的は西岸の入植地の恒久化

イスラエルのシャロン首相の目論むガザの入植地撤去(一方的分離)政策のポイントとしては、まず次の4つが挙げられます。

  1. 経済的なメリットが少ないのに、治安コストが膨大にかかるガザの入植・占領をやめること。
  2. 西岸地区の入植地のいくつかを整理し(イスラエルが不法と見なす仮設入植地の撤去を含む)、事実上は主要入植地の恒久化を確立すること。
  3. それらの入植地をイスラエル側に取り込むようにアパルトヘイト・ウォール(隔離壁)を完成させること。
  4. パレスチナ側を和平交渉のパートナーとはみなさず、一切の関係を断ち切ること。

(パレスチナ情報センター:「イスラエルは内戦状態」より)

さらに、将来的に全パレスチナをイスラエルに併合したときに、パレスチナ人の人口がユダヤ人の人口を上回ってしまう恐れがあるため、イスラエルとしては、そうなる前にガザの130万人以上のパレスチナ人を前もって切り捨てたほうが得策だというということも公然と語れています。ガザの切り捨ては、不経済なガザを切り捨てることで損失を減らすことに加え、イスラエルはユダヤ人だけのための国でありたいけれど民主主義国家とも呼ばれたいという、そもそも相矛盾する望みを叶える(かもしれない)策となるというわけです。

シャロン首相の打ち出したガザの入植地撤去政策が、西岸地区の入植地の恒久化と対になっているということはとても重要なポイントです。実際に、ガザの入植地撤去の方針が出てからも、西岸の入植地は拡大を続けています。こうしている今も、拡大のためのパレスチナ人の土地の収奪と建設工事が続いています。これは、ガザの入植地を撤去しても、入植地全体としては拡大していくということです(ちなみに、入植地が爆発的に拡大したのは、和平に向けての大進展とされた1993年のオスロ合意後のことです。結局のところオスロ合意は、様々な点でイスラエルにのみ都合の良い出鱈目極まりないものだったわけですが、この点だけを見ても、オスロ合意がいかに出鱈目なものだったかがわかります)。

ガザの入植者は6000人から8000人とされていますが、西岸の入植者は40万人以上といわれており(エルサレムの入植者を含む)、占有面積も膨大なものです。ガザの不経済な入植地を撤去することで、あたかもイスラエルがパレスチナに譲歩しているかのように見せかけて国際社会を欺き、西岸の入植地を恒久化していずれは国際的に正式に併合を承認させようというのがシャロン首相の目論見だとされています。

アパルトヘイト・ウォールの建設も続く

また、西岸地区では、入植地を守るためとしてアパルトヘイト・ウォールの建設も続いています。なおアパルトヘイト・ウォールはイスラエルや入植地の安全確保だけが目的ではありません。それ以外にも、肥沃な土地を奪う、水資源を奪う、パレスチナの町と町を分断する、町を分断することで文化・教育・経済などパレスチナ人のあらゆる生活を破壊する、町と町を分断するどころか町や村の中に壁を作り一方をイスラエル側にしてしまうことでそこに暮らす住民を追放する、農地へのアクセスを壁で遮断することで農業を破壊する、パレスチナ人の土地を囲い込むことでパレスチナ人の人口が増えることを抑制する、単に領土を拡大するなどなど、様々な場所で様々な目的を持つ壁が建設されています。

イスラエルが安全確保のためと称するその壁は、パレスチナとイスラエルの国境に建設されているのでもありません。パレスチナの中にどんどん侵入してパレスチナ人の土地を奪いながら建設されています。場所によっては、パレスチナの町の周囲を取り囲んでいるところすらあります。

壁の建設意図は入植地の建設意図と非常に似たところがあります。役割り的には、同じものだといえるかもしれません。

アメリカの動き

これまでイスラエルがあまりに当り前のように入植地を作り、しかもそれを誰も止めなかった(止められなかった)ので世界中の人々が忘れられがちかもしれませんが、軍事占領した場所に入植地(植民地)を作ることは、国際法上認められていない犯罪行為です。国連も、イスラエルに対して入植地の撤去を求めていますが、イスラエルはアメリカの庇護のもと、なんら咎められることもなしにそれをあっさりと無視しています。

また、アメリカのブッシュ政権は、アメリカ政府の歴史上初めて公に入植地の存続を了承しました。占領地に入植地を建設するという国際法を犯す違法行為をあからさまに了承しているのは、世界でもアメリカだけです。ただし、その見返りとしてなのか、パレスチナ国家の樹立を公に容認したのもブッシュ政権が初めてです。しかし、国家を樹立しようにも、パレスチナの領土は壁や入植地でいまやずたずたに切り刻まれています。

和平?

イスラエルが不経済なガザの入植地をついにあきらめ撤去するという事実そのものは、これまで入植者とイスラエル軍の存在に脅かされ不自由を強いられてき人々にとってはもちろんのこと、パレスチナの状況が好転するきっかけとなるかもしれないという意味でも喜ばしい出来事に違いありません。ですが、入植地建設がそもそも違法な犯罪行為なのだとすれば、その撤去は、イスラエルからパレスチナへの素敵なプレゼントでもなければシャロン首相が言うような「痛みをともなった譲歩」でもなく、暴力を使って無理矢理奪い取ってみたものの割に合わなくなったからそれを捨てた、と考えるのが順当なところでしょう。一部報道では、イスラエル政府による入植地の撤去という決定が、勇気ある決断として賞賛される、あるいは賞賛とまではいかなくともその決意が肯定的なものとして語られることがあったりもしますが、普通そのようなことは呆れられこそすれ褒め讃えられたりはしません。しかも、イスラエルがあきらめたのは、入植地のごく一部です。人数でいうと、40万人中の8千人です。「譲歩」どころか西岸地区では、いまも入植地は拡大しています。

これでは、相当に騙されやすいか、相当に悪意があるか、あるいは誰かに脅されているのでもない限り、この一連の動きを見てイスラエルが和平に向けて動き出したなどとは言えないでしょう。

まとめ

様々な情報をまとめますと、

  1. ガザの入植地と西岸のごく小規模な入植地の徹去を行い
  2. そのことによって、国際社会にはイスラエルが和平に向かって動き出したかのような印象を与え、国内的には西岸入植地の存続と拡大を確約し
  3. 西岸入植地(40万人以上)の恒久化と拡大を目指す
  4. 和平交渉は一方的に終結、または骨抜きにし
  5. いずれ西岸全域もしくは西岸入植地をイスラエルへ併合

というあたりがイスラエルの思惑だろうと思われます。

またイスラエルの思惑としては、次のようなことも考えられます。

2005年8月15日

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