パレスチナ関連文書ライブラリー

ナチスのジェノサイドの生還者、および生還者と犠牲者の子孫たちは、ガザにおけるパレスチナ人の集団殺戮を全面的に非難する

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京都の岡真理です。

イスラエルは「世界のユダヤ人のための祖国」を自称しています。
しかし、世界には、イスラエルという国のありようを肯定しないユダヤ人が大勢います。

イスラエルはまた、「ホロコースト犠牲者であるユダヤ人の国」と自称しています。
しかし、今、そのイスラエルが、アラブ人に対するジェノサイドを公然と叫び、それを実行するなど、比喩ではなく文字どおり、かつてのナチスドイツの似姿となっています。

「ホロコーストの犠牲者であるユダヤ人がなぜ、同じことをパレスチナ人に…?」という問いをよく耳にします。その問いに端的に答えるならば、「二度とこのようなことを繰り返してはならない」というホロコーストの教訓が、シオニズムにおいては、「二度とユダヤ人がホロコーストのような目に遭ってはいけない」と解釈されている、ということです。

シオニストにおいてホロコーストとは、世界中のいかなる者の上にもこのような悲劇が二度と起きてはならない、という普遍的教訓としてではなく、シオニズム国家を維持するためにイスラエルがパレスチナ人という他者に対して行使するあらゆる暴力を正当化するための資源として利用されている、ということです。

しかし、この地上のいかなる者の上にも、このような暴力が二度と繰り返されてはならない、ホロコーストを経験したからこそ、あるいは、ホロコーストの犠牲者の子ども、孫だからこそ、それを人間の普遍的教訓として、自らの信念として生きているユダヤ人が大勢います。

以下にご紹介するのは、今般のイスラエルによるガザ攻撃を非難する世界のユダヤ人の声明です。署名者は現在300人を超え、今なお、増え続ています。生還者38名に、生還者や犠牲者の子どもたち、孫たち、ひ孫たち、生還者や犠牲者を親族にもつ者たちが署名しています。

本文中、作家のエリ・ヴィーゼルが指弾されています(エリ・ヴィーゼルは自身のホロコースト体験をつづった自伝小説でノーベル平和賞を受賞しています)。ヴィーゼルは、英米の主要紙に6万ドルの意見広告を掲載し、その中でハマースを非難し、イスラエルを擁護しました。「私は、自らの人生で、ユダヤ人の子どもたちが火の中に投げ入れられるのを目にした。今、私が目にしているのは、ムスリムの子どもたちが人間の楯に利用されてる姿だ。どちらの場合も、それを行うのは、死の崇拝者たちだ」、「今日、私たちが耐え忍んでいるのは、ユダヤ人対アラブ人の戦闘でも、イスラエルとパレスチナの戦闘でもない。それは、生を讃える者たちと、死を称揚する者たちのあいだの闘いなのだ。それは、文明と野蛮のあいだの闘いなのだ」

ヴィーゼルの意見広告については以下で読むことができます。
Elie Wiesel Condemns Hamas for Using Children as Human Shields, Calls on Gazans to Reject Hamas’s Child Sacrifice

以下、イスラエルのガザ攻撃を非難する世界のユダヤ人の声明です。

ナチスのジェノサイドの生還者、および生還者と犠牲者の子孫たちは、ガザにおけるパレスチナ人の集団殺戮を全面的に非難する

ナチスのジェノサイドの生還者として、また生還者および犠牲者の子孫として、私たちは、ガザにおけるパレスチナ人の集団殺戮と、歴史的パレスチナの継続する占領および植民地化を全面的に非難する。私たちはさらに、合衆国がイスラエルに対し、この攻撃を行う資金を提供していること、そして、西洋諸国がより広範に、イスラエルを非難から守るためその外交手腕を利用していることを非難する。ジェノサイドは、世界が沈黙することによって始まる。

私たちは、イスラエル社会において、パレスチナ人に対する極端な人種主義的非人間化が、熱狂的なレベルにまで達していることに不安を掻き立てられている。イスラエルでは、政治家も評論家も、ザ・タイムズ紙やエルサレム・ポスト紙で公然と、パレスチナ人のジェノサイドを訴え、右派のイスラエル人は、ネオナチの記章を自分たちのものとして使っている。

さらに、イスラエルが総力を挙げてガザを破壊し、何百名もの子供を含む2000人近くものパレスチナ人を殺害しているという、決して正当化しえないことを正当化しようとしてエリ・ヴィーゼルが、露骨な嘘を広めるべく、これらの紙面で私たちの歴史を悪用していることに対し、私たちは嫌悪と怒りを覚える。国連のシェルターや家や病院や大学を爆撃するのを正当化できるものなど何一つ存在しない。人々から電気や水を奪うことを正当化するものなど何一つない。

私たちは、私たちの集団的声をあげ、現在進行中のパレスチナ人に対するジェノサイドを含むあらゆる形態のレイシズムを終わらせるために私たちの集団的力を行使しなければならない。私たちは、ガザに対する封鎖を即時、終わらせることを訴える。私たちは、イスラエルに対する全面的な、経済的・文化的・アカデミックボイコットを訴える。「二度と繰り返さない」というのは、《誰の上にも二度と繰り返さない》ということを意味するのだ!

[翻訳:岡 真理]

(編注:原文では本文の後に署名が続きますが、署名は増える可能性があるので詳しくは原文のサイトをご参照ください。原文サイト

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