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ガザ、次のラウンドのカウントダウン

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京都の岡真理です。

今回の合意が先行き不透明なものであることは、日本のメディアでも報道されています。

イスラエルによるガザの封鎖と占領という根本問題が解決されない限り、ガザに対する攻撃が早晩繰り返されるのは必至です。

Mondoweiss のアレックス・ケイン記者が、今回の停戦合意ついて分析し、その脆弱性ゆえに、次の戦争のカウントダウンはすでに始まっていると述べています。
以下、ご紹介します。

ガザ、次のラウンドのカウントダウン

アレックス・ケイン
Mondoweiss/2014年8月29日

停戦により、ガザにおける地獄の7週間が終わって、まだ2日しかたっていない。しかし、イスラエルとパレスチナの武装諸勢力とのあいだの停戦合意のインクが乾くや、次のラウンドのカウントダウンが始まった。

次ラウンドは不可避だ。ガザで新たな戦争があるだろう。パレスチナ人とイスラエルを悩ませる根深い問題は解決してない。停戦は時間稼ぎだ──次に紛争が激化し、死と破壊がガザに降り注ぐまでの。唯一の問いは、次の暴力の発作はいつ起こるのか、ということだ。ハマースその他の党派は再武装しなければならない。イスラエル南部の社会とガザの住民は小休止を欲している。

たしかに、ハマースやその他の諸組織、そしてガザのパレスチナ人は50日間に及ぶ攻撃の終結を祝っている。彼らはそれを勝利と呼ぶ。私がガザにいたら、やはり同じように祝うだろう。パレスチナ人戦士たちがイスラエル兵士に対して予想外の深刻な被害を与え、経済的痛みをもたらし、南部を震撼させ、彼らがイスラエルから封鎖に関して譲歩を引き出したのは事実だ。

しかし、それらはよく言って、最小限の譲歩である。しかも、それを確実に[履行させる]手立ては何もない。これは、前回、2012年の紛争を終結させた停戦の再現である。死も破壊も、前回の攻撃を上回っているのだが。

「停戦の条件は、2012年11月の合意と、そっくりではないにしても、同じようなものです。合意内容を履行させるためのメカニズムが欠如していることもです」、パレスチナ人アナリスト、ヌーラ・エラーカートはIMEU「中東理解インスティチュート」のリポーターに対する発言の中で述べている。「このため、この停戦はそれほど信頼のおけるものではなく、近い将来、ガザに対する新たな攻撃が起こるのを阻止することができません。」

報道によれば、停戦合意は、封鎖の緩和を約束している。封鎖は、今回の戦争が勃発した根深い原因の一つとなっている。ロイターが詳細を伝えているが、それによれば、封鎖緩和に言及する公的文書は何もない。

イスラエルは確かに、ガザとの境界のクロッシング/出入り口を開放し、物資の流入を認めることに同意しているが、それは、人道援助と再建のための資材に対してだけであり、輸出や、ガザの人々の自由な移動を認めているわけではないようだ。しかも、再建のための資材の搬入にしても、イスラエルは容易にひっくりかえすことができるのだ。イスラエルが物資の搬入用に国境を開放し続けると誰が保証するのか? 誰も、そんなことをするつもりもなければ、したいとも思っていない。反ハマースの悪意に満ちたエジプト政府もそうだし、合衆国もだ。

来月、ハマースの非武装化──そんなことは起こらないだろう──や、ガザの空港や港[の再開]──これもまた、近い将来には起こりそうもない──などの問題についてさらに協議がもたれる予定だ。これらの要求がまったく満たされないとなれば、新たな戦争が起こる可能性がますます高まる。

ガザを揺さぶった暴力が続くと思われるその他の理由として、ガザは世界から依然として切り離され、さらに重要なことには、西岸からも切り離されている。イスラエルはなおも、パレスチナの統一と見なしうるようなことは何であろうと叩き潰すつもりでいる。ハマースは、暴力的なレジスタンス──イスラエルが理解する唯一の言語だ──によってその地位を上昇させたとは言え、依然、深く孤立している。そして、もちろん、占領は続いている。以上が、さらなる流血のレシピだ。

西洋の政治状況に著しい変化が起こって、イスラエルが占領や封鎖を止めなければ国家として孤立する、というメッセージをイスラエルに対して送らない限り、ガザに対する攻撃は繰り返し生起し続けるだろう。ガザ戦争が起こるたびに、最後の審判の日が近づいているのは確かだ。パレスチナ人の家や学校にミサイルが落ちるたびに、ボイコット、投資引上げ、制裁(BDS)運動の燃料となっている。だが、最後の審判の日は依然、はるか彼方だ。その日がやって来るまで、ガザとイスラエルはさらに苦しむだろう。だから、ガザの次のラウンドに備えなければならない。

[翻訳:岡 真理]

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