パレスチナ関連文書ライブラリー

「イスラエルの犯罪にこれ以上、白紙小切手を渡すな」メンデス、ブッカー両上院議員に抗議行動、13人逮捕

拡散歓迎

京都の岡真理です。

ガザに対するイスラエルの、50日に及ぶジェノサイド攻撃は、「無期限」停戦になりました。しかし、合意は脆弱であり、イスラエルによる封鎖と占領が続く限り、同じような殺戮が繰り返されることは必至です。

封鎖と占領の終結を求めて、アメリカでは、抗議行動が続いています。
ニュージャージー州における抗議行動について伝える、スティーヴン・R・シャロームの記事をご紹介します。

「白紙小切手」と訳した blank check は、額面も署名も何も書かれていない小切手のことです。日本語の「白紙委任状」と同じ意味ですが、資金提供の話なので、「白紙小切手」としました。

原文サイトには、写真が3枚、紹介されています。
ごく普通のおばちゃんたちです。
非暴力の抗議運動で逮捕された彼女たちの、拘置所での写真もあります。

「イスラエルの犯罪にこれ以上、白紙小切手を渡すな」メンデス、ブッカー両上院議員に抗議行動、13人逮捕

スティーヴン・R・シャローム
Mondoweiss/2014年8月29日

8月26日(火曜日)、ロバート・メンデス上院議員とコリー・ブッカー上院議員のニューアーク(ニュージャージー州)事務所の外で、50人以上の市民が抗議行動をおこない、国会議員はイスラエルの戦争犯罪に白紙小切手を渡すなと要求した。13人のデモ参加者が、建物内部で、ガザで殺された500人近い子どもたちの名前のいくつかを読み上げたことで逮捕された。

(ちなみに、イスラエルの人権団体ベツェレムが、殺されたガザの子どもたち500人の名前をリストにしただけのラジオ広告を流そうとしたところ、イスラエルの放送局はこれを禁止している。)

合衆国上院は、ガザに対する今回のイスラエルの攻撃のさなか、恥ずべき役割を果たした。2度にわたり、100対0の満場一致で、イスラエルに対する全面支援を可決したのだ。イスラエルが国際人道法に違反していることについては言及せず(それどころか、国連人権理事会が戦争犯罪を調査することを非難して)、ガザの封鎖についても、占領についても一言も言及せず、イスラエルに対してさらなる武器の供与を約束したのだ。

これはすべて、ガザの人々2100名以上が殺されており、これまで身元が判明している死者の85%が民間人であるというときに起きているのだ。家族が自宅で、バラバラになって吹き飛ばされ、10万人以上が家を失い、国連のシェルターが繰り返し攻撃された。人口密集地域が砲撃され、地区全体が瓦礫となったところもある。高層ビルも粉々になり、水の処理施設や発電所も攻撃された。

イスラエルは、ロケット弾やトンネルを叩くための行為だとしている。ガザから発射されたものは、イスラエルで計6人の民間人の死を招いた。悲劇的で不正なことだ。しかし、イスラエルがその不法で不正な占領を続け、ガザに対する残忍な封鎖──国際人道法に違反する集団懲罰だ──を実行している限り、それは不可避のことだ。

「我々はイスラエルの自衛権を支持する」と上院議員たちは唱える。

しかし、当然のことながら、500人の子どもを殺しておいて、そんなものは自衛ではない。

誰かの首を締め上げておいて、被害者が必死になってからだをばたつかせていて、そんなものは自衛ではない──イスラエルは確かにガザを締め上げているのだ、7年にわたり、残酷な封鎖によって。

今回の戦闘のラウンドが始まる前、封鎖のせいでガザの状況は無惨だった。失業率は41%、停電は1日12時間から16時間、ガザの地下帯水層の水の90%は飲料には有害、毎日、一部しか浄水処理をしていない汚水9000万リットルが地中海に排水される。

さらにガザの人々は、基本的な移動の自由も認められていない。緊急の治療が必要な患者は、出域許可を待っているあいだに亡くなり、夫婦でどちらか一方がガザ出身で、他方がイスラエルか西岸出身の場合、離ればなれで暮らすか、ガザで暮らすしかない。

封鎖の目的はひとえに兵器を入れさせないことだとイスラエルは言うが、これは、真っ赤な嘘だ。封鎖のため、ガザから輸出もできないが、明らかに兵器とは何の関係もない。コリアンダーやノートの輸入が禁じられた時期もあった。

封鎖の真の目的は、イスラエル当局者が公けに認めている。すなわち、飢え死にしない程度に──イスラエル政府の顧問、ドヴ・ワイスグラスのぴったりな表現によれば──ガザの175万ほどの人々を「ダイエットさせる」ことにある。

イスラエルの元首相、シモン・ペレスはかつて、なぜパレスチナ人はガザを繁栄するシンガポールにしないのだろうと疑問を呈したことがある。どうやらペレスはお忘れになっているようだ。中継貿易をするには、貿易することが許されていなければならないということを。シンガポールになるためには、港と空港を持つことが許されなければならないのだ。

だからイスラエルには、500人もの子供を殺したりする必要もなく、自衛する簡単な方法があるのだ。封鎖を止めることだ。

また、一民族を50年近くも占領下に置いておいて、そんなものは自衛などではない。しかも、その占領は、歳月とともに軽減されていくどころか、拡大し続け、パレスチナ人の土地を盗み、新たなイスラエルの入植地を建設し続けているのだ。

イスラエルにはこれまでずっと、自衛する簡単な方法があるのだ。占領を止めることだ。

しかし、合衆国上院は、イスラエルを支持するのだと言う。イスラエルがどれだけ大勢の人間を殺そうがお構いなく。

しかし、上院も悪質だが、なかでもニュージャージー選出の上院議員、メンデスとブッカーは悪質だ。

メンデスとブッカーは、上院の中でもとくに、親イスラエルの政治活動委員会から選挙運動用に高額の寄付を受け取っている。メンデスは、上院の対外関係委員会の長として、イスラエル支援において指導的役割を果たしている。ガザに関する上院決議の法案の両方を共同で提出した一人として、メンデスは(イスラエルの指示に従い)オバマがイランに対して甘いと言って、大統領をあからさまに攻撃している。

アナリストのM・J・ローゼンバーグから、「アメリカ議会におけるAIPAC[アメリカ・イスラエル公共問題委員会。アメリカの親イスラエルの政治団体]のナンバー1の操り人形」と呼ばれているブッカーは、ラビのシュムーリ・ボテイアクが親友かつ顧問だ。ボテイアクはユダヤ教ハバド派のラビでテレビのパーソナリティ、共和党から下院議員に立候補したこともある。また、エリ・ウィーゼルとともに、主要紙に、胸の悪くなるような親イスラエルの意見広告を掲載した。

ブッカーは最近、上院で、ガザについて発言し、ハマースが、「トンネルを建設し、独立を唱え、それを推進するために、ガザの住民が食糧や医薬品を手に入れるのを禁じている」と言って、ハマースを非難した。ブッカーはなぜか、パレスチナの「独立」を実際に阻んだり、食糧や医薬品をガザに入れないのは誰か、ということを言うのを忘れたようだ。

メンデスとブッカーのイスラエルに対する狂信的支持に関して衝撃的なのは、彼らの見解が、彼らを選んだ者たちの見解と対照的だということだ。ニュージャージーの投票率のデータはないが、7月22日から23日のギャラップによる国民の世論調査の結果は示唆的だ。

イスラエルの軍事行動は正当化されるかという質問に対し、民主党員のあいだでは、「正当化される」と答えた者が31%であったのに対し、「正当化されない」と答えたのは47%。無党派層では「正当化される」36%に対し「正当化されない」が46%。

つまり、メンデスとブッカー両上院議員を選んだ者たちの大部分は、基本的な良識の側にいるが、メンデスとブッカーは殺戮を支持する側だということだ。

非白人のアメリカ人のあいだでは、イスラエルの行動は正当化されないと考える者は、正当化されると考える者の2倍に達する(49%対25%)。圧倒的にメンデスとブッカーに投票したのが彼らだ。しかし、両議員は、自分たちを代表に選んだ有権者の見解を無視し、イスラエルの犯罪を支援した。

他の世論調査では、民主党の方が、感情的により分裂していることを示しているが、メンデスとブッカーがパレスチナ人の苦しみに無頓着でイスラエル政府の欲望にこびへつらっていることは是認しようがない。

8月26日のデモ参加者らは、両議員に対し、以下の項目を要求した。

つまり、デモ参加者たちは、イスラエルの犯罪に対して、もう二度と白紙小切手を渡すなと要求したのだった。

この抗議デモは、以下の団体が賛同している。
NJ Peace Action, Essex/Passaic County Green Party, NJ Labor Against War, NJ Progressive Democrats of America, Labor Fightback Network, Central NJ Coalition Against Endless War, Coalition 2 Save Our Homes, Princeton for Palestine, Green Party of Monmouth County, Socialist Party of Northern NJ, People’s Organization for Progress, and Anakbayan-NJ.

この抗議デモについての報道のひとつは、13人が逮捕されたことは伝えなかったが、次のような効果的な言葉で締めくくられていた。

「今日、我々は、メンデスとブッカー両上院議員に訴えた。どちらの事務所も、議員は[この件に関し]コメントはしないだろうけれど、行動でもって応えるだろうと言ったところ、デモ参加者たちはいっせいに答えた、「そのとおり」」

スティーヴン・R・シャロームは、ニュー・ポリティクスの共同編集者、および、ニュージャージー・ピースアクションのメンバー。平和とジャスティスのためのガンジー・フォーラムの代表でもある。ニュージャージのウィリアム・パターソン大学で教鞭をとる。

[翻訳:岡 真理]

このページは パレスチナ情報センター が管理しています。