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イスラエルとパレスチナ?:Stop無印良品キャンペーン

  1. イスラエル/パレスチナで起きていること
    入植地/アパルトヘイト・ウォール/パレスチナ難民/2008年12月のガザ攻撃/ガザ封鎖/ガザ支援船襲撃事件/イスラエルの核兵器
  2. 本の紹介

イスラエル/パレスチナで起きていること

イスラエルとパレスチナについてあまりなじみがない方のための、ごく簡単なガイドです。

歴史をさかのぼって詳しく話し出すときりがありませんので歴史についてはほんの少しだけにして、ここでは、テレビや新聞などでも見聞きするようなことがらについてざっとおさらいしておきたいと思います。さらに詳しく知りたい方のために、イスラエル/パレスチナ関連の本の紹介もしています。

歴史については、イスラエルとパレスチナを説明するときによく言われる、「2000年にわたる憎しみと争い」とか「宗教戦争/宗教紛争」というのがでたらめだということをひとまず押さえておいてもらえればと思います。誰かが知ったかぶりをしてそんなことを言い始めたら、その人はイスラエルとパレスチナのことを何も知らないと判断しても大丈夫だと思います。

ことの始まりは、パレスチナにユダヤ人のための国を作ろうとする「シオニズム」と呼ばれる社会運動でした。19世紀末にヨーロッパの一部のユダヤ人が始めたシオニズム運動は、世界中からユダヤ人をかき集め、パレスチナで暮らしている人々を追い払ったり殺したりした上で1948年パレスチナにユダヤ人のためだけの国イスラエルを作りました。そしてこれを、国連をはじめ世界の多くの国が認めました。

シオニズム運動がパレスチナにやってくるまでは、パレスチナ人とユダヤ人との間には大きな紛争などありませんでした。そこは、イスラーム教徒もユダヤ教徒もキリスト教徒も他の宗教を信じる人も、宗教に関わりなく隣人として普通に暮らしている場所でした。パレスチナ人とユダヤ人との2000年にわたる憎しみや争いなどなかったのです。宗教の違いが問題になっているのでもありません。突然どこかからやってきた人たちが、そこで暮らしていた人たちを追い出したり殺したりして、そこに自分たちのための国を作ったことが問題になっているのです。そして、パレスチナ人に対する迫害が続いていることが問題になっているのです。イスラエルは、それを隠すために「2000年にわたる憎しみと争い」や「宗教戦争/宗教紛争」などと宣伝しているというわけです。

と、歴史の話はこのくらいにして、ここからは、テレビや新聞などでも見聞きするようなことがらについて簡単に説明します。

イスラエルとパレスチナ

歴史的には、現在のイスラエルとパレスチナを合わせた地域がパレスチナとされていました(下の地図左端)。イスラエル建国後、イスラエルは戦争によって領土を広げ(下の地図1948年)、現在「パレスチナ」と言われるときは、「ヨルダン川西岸地区」と「ガザ地区」のふたつの地域を指します。

イスラエルが国として認められている一方で、パレスチナは国ではありません。ヨルダン川西岸地区とガザ地区は、現在イスラエルに占領されているため、パレスチナはイスラエルの全面的な支配下にあり、イスラエルの思惑次第でどうとでもなる地域という扱いになっています。つまり、事実上はイスラエルの中にヨルダン川西岸地区とガザ地区という地域があるのと同じ状態になっているというわけです。そして、イスラエル政府はパレスチナ人に対して、徹底的な迫害を行っています。これがアパルトヘイトと呼ばれる理由のひとつです。

またイスラエルは、領土を広げる機会を常にねらっているため、国境を決めておらず、自国の領土がどこからどこまでなのかは明確にしないという奇妙な状態になっています。そのためイスラエルはヨルダン川西岸地区に好き放題に進出し、現在ヨルダン川西岸地区は入植地や軍事封鎖地域やイスラエル人専用道路などで細切れになっています(地図右端)。

また、パレスチナ人には移動の自由もなく、ヨルダン川西岸地区とガザ地区を行き来する自由はありませんし、ヨルダン川西岸地区内であっても、無数の検問所や道路封鎖などによってパレスチナ人の移動は大きく制限されています。また、国境管理はイスラエルが行っているため、パレスチナ人が外国に出るのも困難な状態です。

イスラエル国内には、イスラエル建国時にイスラエル人とされてしまったパレスチナ人が約100万人暮らしています(イスラエルの全人口は約700万人)。イスラエル国内のパレスチナ人は、2級市民として差別的な扱いを受けています。これもまた、イスラエルがアパルトヘイトと呼ばれる理由のひとつとなっています。

和平交渉などでは、パレスチナも国として認め、イスラエルとパレスチナが隣り合った国として共存していけばいいじゃないかという「二国家解決」と呼ばれる解決策が方針となっていますが、上記のように、ヨルダン川西岸地区とガザ地区が離れた場所にあることや、すでにヨルダン川西岸地区がずたずたに切りきざまれているという事実や、イスラエル国内にも多くのパレスチナ人が暮らしていることや、現在イスラエルとなっている場所に帰るべき故郷があるパレスチナ難民が多数いることなどから、「二国家解決」では多くのことを解決することができず問題を先送りするだけだとして、かつて南アフリカのアパルトヘイトの解決策が人々の共存と「一人一票」を目指したように、人々の分離を求めるのではなく、ユダヤ人とパレスチナ人が共に暮らす民主的な国をひとつ作って、そこで誰もが平等に「一人一票」ということでいいではないかという「一国家解決」を求める声も高まりつつあります。

入植地

入植地とは、パレスチナの領土として国際的に認められているヨルダン川西岸地区で、イスラエル政府がパレスチナの土地を取り上げて作っているユダヤ人のための住宅地です(住居だけでなく農地や工場なども含みます)。現在、ヨルダン川西岸地区とガザ地区はイスラエルに軍事占領されているのですが、占領地に入植地を作ることは国際法に違反する犯罪です(以前はガザ地区にも入植地がありましたが今はありません)。ヨルダン川西岸地区に点在する入植地では、40万人以上もの入植者が暮らしています。入植地は、今も拡大し続けています。

ヨルダン川西岸地区入植地地図

過激な入植者の中には、日常的にパレスチナの町や村を襲撃している人たちもいます。ユダヤ人がパレスチナ人を襲撃しても、まともに罰せられることがほとんどないどころか、逆に、殴られたり畑を荒らされたりしたパレスチナ人がそれに抵抗しようとして逮捕されることもよくあることです。

銃で武装してパレスチナの町を闊歩する入植者
(武装してパレスチナの町を闊歩する入植者)

パレスチナ人の老人を蹴飛ばす入植者の子供の写真

(パレスチナ人の老人を蹴飛ばす入植者の子供。過激な入植者は子供にまでこんなことをやらせています。そばにいる入植者やイスラエル軍兵士も止めようとしていません)

アパルトヘイト・ウォール

アパルトヘイト・ウォールとは、隔離壁/分離壁とも呼ばれる、イスラエルが「テロリストのイスラエルへの侵入を防ぐため」と宣伝してヨルダン川西岸地区に建設している壁です。イスラエルが「セキュリティ・フェンス」と呼ぶその壁は、イスラエルとパレスチナの境界に建設されているのではなく、90%以上がパレスチナの中に侵入してパレスチナ人の土地を奪いながら建設されています。

パレスチナの土地や水源を奪うことや、町と町の間に壁を作ることでパレスチナ人が移動できないようにすることや、移動ができなくなることでパレスチナの文化・教育・経済などを破壊することや、住宅地と農地の間に壁を作ってパレスチナの農業を破壊することなどがアパルトヘイト・ウォールの目的とされています。

壁建設の中止と徹去を求める国連決議(2003年10月21日)や国際司法裁判所の勧告(2004年7月9日)が出された後も、イスラエルはアメリカの保護のもと、それらを無視し壁建設を続けています。

ヨルダン川西岸地区は、アパルトヘイト・ウォールだけでなく、イスラエル軍による検問所や道路封鎖、パレスチナ人が立ち入れないイスラエル人専用道路や入植地によって、ずたずたに切り刻まれています。

アパルトヘイト・ウォールについては、詳しくは 特集:アパルトヘイト・ウォール をご覧ください。

(写真:左: PENGON/Anti-Apartheid Wall Campaign
右: severinelaville Creative Commons Attribution-NonCommercial 2.0)

パレスチナ難民

イスラエルによって故郷を追われ、現在故郷以外の場所で暮らしているパレスチナ難民は、国連機関に公式に登録されているだけでも約470万人います。難民としては世界最大の数です。そのうち約110万人がガザ地区で、約77万人がヨルダン川西岸地区で暮らし、それ以外の人々は近隣諸国や世界各地で暮らしています。戦争などで一時的に家を離れた難民が元の家に戻るのは世界的にはごく当たり前のことなので、当然パレスチナ人が元の家に帰る権利(帰還権)も国連によって認められているのですが、イスラエルがそれを受け入れないため、パレスチナ難民はいつまでたっても自分の家に戻ることができないという信じられないことが起きています。イスラエルが建国された1948年に難民となった人たちは、60年以上たった今も家に帰ることができず、多くの人がいまだに各地の難民キャンプで暮らしています。

その一方で、一切イスラエルとつながりのない人でもユダヤ人と認められればイスラエルに「帰還」することができる「帰還法」という法律がイスラエルにはあります。

2008年12月のガザ攻撃

ガザ地区は、日常的にイスラエル軍による攻撃を受け続けていますが、2008年12月27日から2009年1月17日の3週間、イスラエル軍はガザ地区を大規模に攻撃しました。イスラエル軍は、その攻撃によって1400人以上を殺し、5000人以上を負傷させました。また、1300軒以上の家を破壊し、農地や工場や学校なども破壊しました。そのことでイスラエルは一時的に国際的な批判を受けましたが、その後、戦争犯罪に対する具体的な責任の追及や償いはなされていません。また、イスラエルによる封鎖によって、破壊されたガザの復興はいまだにまったく進んでいません。

Photo by Andreas H. Lunde
(Creative Commons Attribution-NonCommercial 2.0)

【参考記事】

ガザ封鎖/ガザ支援船襲撃事件

2006年、世界でも最高レベルの民主的な選挙と評価されたパレスチナの選挙でイスラエルとアメリカの気に入らない政党が勝ってしまったため、イスラエルとアメリカは選挙結果を認めないとして、パレスチナの経済制裁を世界に呼びかけ日本を含む多くの国がそれに従いました。そして、それまでも封鎖状態にあったガザ地区の封鎖はさらに強化され、その後、食料や医薬品なども含む生活必需品をガザに入れることまで禁止されました。また、人の出入りも禁止されているため、治療のためにガザを出なければならない重病人ですらガザから出ることができません。国連を含む様々な国際機関が、もはやガザ地区は人道危機と呼ぶレベルを超えた危機的状況にあるとして、イスラエルに封鎖解除を求めています。

そんなガザに、なんとかして支援物資を届け、またその行動を通して封鎖解除を世界に呼びかけようとする動きが世界各地で起きています。これまで、ガザにたどり着くことができた支援グループもわずかながらあったのですが、2010年5月31日、1万トンの支援物資と約700人の支援者を乗せたトルコの支援船団が、ガザのはるか手前の公海上(どの国にも属さない誰もが自由に行き来できる海域)でイスラエル軍に襲撃され、船に乗っていたボランティアの支援者9人が殺されるという事件が起きました。何をやっても罰を受けることがないのだからやりたいことは何でもするだろうと多くの人に思われているイスラエルですが、さすがにこの事件の衝撃は大きく、世界的な批判が巻き起こりました。が、今のところ、イスラエルは具体的な責任を追及されていませんし、それ以前に事実を確認するための調査すら受け入れていません。この事件によってガザ封鎖への国際的な批判も高まり、イスラエル政府は一部封鎖をゆるめましたが、ガザが封鎖状態にあることは今も変わりません。


(イスラエル軍に襲撃されたガザ支援船)

ガザ地区の陸地部分は、壁によって完全に囲われています。海と空は、イスラエル軍によって封鎖されています。周囲を完全に囲われた小さな場所に150万人の人々が暮らし、人口密度は世界でも最高レベルです。このことから、ガザは「大きな監獄」とか「青空刑務所」などと言われています。

【参考記事】

イスラエルの核兵器

イスラエルが核兵器を持っていることは世界中で知られている事実ですが、イスラエル政府はそれを公式に認めておらず、アメリカもそれを黙認していることから、国際的な調査も一切行われていませんし、批判されることもほとんどありません。現在イスラエルは、核兵器の恐怖を訴えて世界中をかけ回り、今こそ世界各国が協力してイランの核開発を止めねばならないと説得をして回っていますが(日本にも来ました)、イスラエルは核兵器を持っています。が、そのことに触れるとイスラエルとアメリカが機嫌をそこねるので、国際的には、イスラエルの核兵器のことには触れないのが多くの国の政府の常識になっています。

本の紹介

もう少し詳しくイスラエルとパレスチナのことをお知りになりたい方は、イスラエルとパレスチナに関する本はたくさんありますので、ぜひ本をお読みください。

イスラエル/パレスチナのことをよく知らない人にもおすすめの本

ぼくたちの砦

物語のほうが入りやすいという方は、占領というきびしい日常の中でも誇りと希望を失わずいつか自由をと願いながら暮らす12歳の少年を主人公にした物語 『ぼくたちの砦』 (エリザベス・レアード)はいかがでしょうか。他のパレスチナ/イスラエルに関する小説については、書籍紹介:フィクション/文学 をご覧ください。

ジョー・サッコ:パレスチナ

絵があるほうがイメージをつかみやすいという方には、アメリカで出版されたコミックスの日本語版 『パレスチナ』 (ジョー・サッコ)がおすすめです。圧倒的な絵の力もさることながら、内容的にもとても興味深い作品です。

ガザの八百屋は今日もからっぽ

ガザ地区についての本としては、ガザでも活動しているJVC(日本国際ボランティアセンター)のスタッフによる 『ガザの八百屋は今日もからっぽ』 (小林和香子)があります。2008年12月のガザ大規模攻撃についても詳しく書かれています。

ホロコーストからガザへ

ガザについて、さらに詳しい内容の本としては、ガザの研究者として世界的に名高いユダヤ系アメリカ人でありホロコースト生存者の娘でもある著者による 『ホロコーストからガザへ』 (サラ・ロイ)があります。ガザ地区についての他の本は、書籍紹介:ガザ をご覧ください。

『ホロコーストからガザへ』 のサラ・ロイさんのように、イスラエルを批判しているユダヤ人は、イスラエルの中にも外にもたくさんいます。ユダヤ人による本は、書籍紹介:ユダヤ人による著書 で紹介しています。

君はパレスチナを知っているか

歴史については、新版『君はパレスチナを知っているか』 (奈良本英佑)がおすすめです。さらに詳しい内容の本としては、同じ著者による 『パレスチナの歴史』 (奈良本英佑)もあります。

このサイト(パレスチナ情報センター)の運営スタッフが関わっている本には、『占領ノート』『〈鏡〉としてのパレスチナ』『ユダヤとイスラエルのあいだ』『イラン・パペ、パレスチナを語る』『ホロコーストからガザへ』などがあります。

その他、書籍紹介 のコーナーでは、たくさんの本を紹介していますので参考にしていただければと思います。著者別、カテゴリー別でも検索できますので、ぜひご活用ください。

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