2008.06.20

「ナクバ60年」で書評特集
Posted by:情報センター・スタッフ
刊行されたばかりの『インパクション163号』で、「ナクバから60年」という書評/映画評の特集が組まれています(「ナクバ」は、イスラエル建国によるパレスチナの破滅を指すアラビア語)。
取り上げられているのは4点。
イラン・パペ(語り)、 『イラン・パペ、パレスチナを語るーー「民族浄化」から「橋渡しのナラティヴ」へ』 、 ミーダーン〈パレスチナ・対話のための広場〉 編訳、つげ書房新社、2008年
評者は岡真理氏。
早尾貴紀(著)、 『ユダヤとイスラエルのあいだーー民族/国民のアポリア』 、青土社、2008年
評者は細見和之氏。
広河隆一(監督)、 「パレスチナ1948 NAKBA」 、配給バイオタイド、2008年
評者は水溜真由美氏。
『Women in Struggleーーパレスチナ 占領・ジェンダー・人権を考える』 、WiSEC、2008年
評者は中村一成氏。
なお『インパクション163号』の裏表紙のインパクト出版会からの新刊案内には、以下の書籍が出ており、これも上記の書評特集に入れられてしかるべき重要な本です。
田浪亜央江(著)、 『〈不在者〉たちのイスラエルーー占領文化とパレスチナ』 、インパクト出版会、2008年
以上5点、どれも「ナクバ60年」というタイミングで出された重要な作品です。また、書評/映画評はいずれも力が入っています。ぜひお読みください。
■ インパクション
2008.06.15

イスラエルで入国拒否件数が急増
Posted by:情報センター・スタッフ
これまでもよく知られているように、イスラエル政府・内務省は、「好ましからぬ外国人」に対して、ひじょうに安易に入国拒否措置をとっている。政治活動などを理由とすることだけでなく、研究者についても、親アラブ/親パレスチナであるとみなされただけで、一方的に入国拒否になることもある。また理由が明示されないことも多い。
このたび、2007年の入国拒否件数が明らかとなり、その数が2941人に達することがわかった。しかもこの数字は、その二年前の05年で1828人であったのと比較して、約60パーセントの増加であるという(6/15、ハアレツ紙報道)。
この二年間で、たしかに日本のパレスチナ問題に関わっている人で、入国拒否に遭ったという事例は増えていたが、この報道で、入国拒否の急増がイスラエルの政策方針によるものであることが裏付けられた。
なお、先月には、アメリカの政治学者ノーマン・フィンケルシュタイン(『ホロコースト産業』などの著作で知られ、厳しいイスラエル批判をおこなっている)が入国拒否に遭ったというニュースも流れていた。
2008.05.22

イスラエルの公用語変更法案――ヘブライ語のみ
Posted by:情報センター・スタッフ
現在、イスラエルの公用語は、「ヘブライ語とアラビア語」となっています。タテマエとしてはアラビア語も公用語なのです。
このことは、アラブ・パレスチナ人が先住民であること、建国後のイスラエルの歴史のどの時点をとっても総人口の2割前後がアラブ・パレスチナ人であったことに照らして、当然のことです。
もちろん現実的には、イスラエル内における日常生活のあらゆる面において、ヘブライ語が圧倒的に優越し、アラビア語では生活できないようになっています。しかし法権利上は、アラビア語は、ヘブライ語と等しい公用語なのです。
ところが、最近になって、イスラエルの国会(クネセト)の議員4人の署名によって、第一公用語をヘブライ語のみに限定し、アラビア語は英語・ロシア語とともに便宜的な第二公用語に位置づけよう、という法案が提出されました。
法案提出者である、リクードとシャスの議員らによると、「アラビア語話者とロシア語話者は、どちらも同じく100万人強。そして英語は国際的な共通言語。アラビア語は第二公用語の地位がふさわしい」。また、「アラブ人たちがイスラエルを二民族国家にしようと目論んでいるいま、ヘブライ語に特権的な地位を与えるのは緊急の課題である」とのこと。
言語統制は植民地支配に必ずつきまとう現象です。こうした流れを注視しなければなりません。
2008.05.13

ガザ地区は極限状態
Posted by:早尾
近いうちにもう少しまとまった文章をスタッフノートのほうに出しますが、まずはこちらで簡単に触れておきます。
ガザ地区の封鎖は極限状態に達しており、とくに燃料欠乏は、タクシーなどのガソリンだけでなく、日常食のパンを焼く火力や、発電のエネルギーにも壊滅的なダメージを与えており、パン屋や病院までも機能不全に陥っています。
こうした事態は、日本の新聞各紙やイスラエルのハアレツを読んでいても見えてきません。 International Meddle East Media Center や The Palestinian Information Center などが、細かく事態をフォローしています。
【追記】
スタッフノートに 「ガザのホロコースト」 として文章をアップしました。そちらをお読みいただければと思います。
2008.05.02

早尾貴紀『ユダヤとイスラエルのあいだ』(青土社)、刊行
Posted by:早尾貴紀
宣伝で恐縮です。
私、早尾が書いてきたイスラエル国家の歴史と現在に関する論考を、一冊の本としてリライトしてまとめました。
早尾貴紀(著)、『ユダヤとイスラエルのあいだ――民族/国民のアポリア』、青土社、2008年、2600円
建国60年を迎えるユダヤ人国家の矛盾を、建国時から現在まで論じます。
いずれスタッフノートに著者解題でも書こうと思いますが、とりあえず刊行のお知らせまで。


