2006.07.28

アメリカが武装させたイスラエル
Posted by:情報センター・スタッフ
シンクタンク Foreign Policy in Focus に、 Who's arming Israel という記事が掲載された。そこには、アメリカがイスラエルに対して行なっている、直接的な軍事援助と武器売却の総額が、コンパクトにまとめられてある。
それによると、2001年から2005年の軍事援助金の総額は、毎年平均して25億〜30億ドル(約3000億〜3500億円)で大きな変動なく推移している。この金額は、イスラエルの軍事予算の2割以上にあたり、それだけアメリカがイスラエルの軍事力を支えている、ということになる。
こうした軍事援助は、アメリカがこの30年以上にわたって継続して来たことであり、それについては、どちらかと言えば、周知のことであっただろう。
それに対して、この二年で急激な増加を見せているのが、アメリカからイスラエルへの武器売却だ。01〜03年は6〜8億ドル(700億〜900億円)で推移していたものが、04年には13億ドル(1500億円)と倍近くに増加、05年にはさらに倍増し27億ドル(3100億ドル)を超え、直接的な軍事援助に並ぶ規模となった。合わせれば、いっそう膨大な規模となり、イスラエルの軍事力は全面的にアメリカによってバックアップされていると言っていい。
いまガザやレバノンで、対抗勢力とは比較にならない大規模な軍事力をイスラエルが展開しているが、上記の予算・武器の援助に加えて、外交的な承認・支援をアメリカから受けている以上、パレスチナ市民とレバノン市民の半分はアメリカに殺されているとさえ言えるのではないだろうか。
それにしても、イスラエルは、四国四県を合わせたよりちょっと大きいくらいの国土面積と人口しか持たない、小さな国家だ。そこが、これだけの軍事力を持つことの圧倒的アンバランスが意味するのは何か。アメリカ=イスラエルは、その不均衡によって相手を力で押さえつける「和平」を意図しているだろう。だが、抑圧は反発を生む。そして、ゲリラ的抵抗を押さえ込むことは、それこそ相手を「殲滅」でもしないかぎり物理的に不可能だ。
やむことのない抵抗運動は、イスラエルをいっそう圧倒的な武力強化へと走らせる。したがって「平和」は訪れない。アメリカの支えるイスラエルの武力信奉こそが、この地域に不安定要因と具体的な紛争をもたらしていること、「テロリスト」を生み出していること、おそらくアメリカの軍事産業にとってはそれこそ好都合であること。
レバノン「戦争」などとも呼ばれるけれども、これがいわゆる「戦争」などという言葉で言い表せる事態などではなく、しかも「兵士拉致」をきっかけにした偶発的な紛争などではなく、イスラエル=アメリカによる相当に戦略的な軍事行動であることには、その背景も含めて留意が要るだろう。
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