2006.12.14

映画『パラダイス・ナウ』とテロリズム論
Posted by:早尾貴紀
以前、英語版DVD発売時に ここでも紹介された ことのあるパレスチナの映画『パラダイス・ナウ』(ハニー・アブー・アサド監督)の日本語字幕版が、ようやく公開されることになりました。この作品は、パレスチナのいわゆる「自爆テロ」を描いているドラマですが、それを「邪悪な狂信者のテロ」にも、逆に「純粋で神聖な抵抗」にも単純化することなく、そこに関わりうる諸要因を丁寧に描き、複雑な背景を伝えようとしています。
公開は07年3月から。配給は「アップリンク」ですが、上映会場は「東京都写真美術館」とのことです。詳細が分かり次第、情報を追加します。
【2月1日追記】
上映情報の詳細が出ました。
パラダイス・ナウ公式サイト
ところで、手前ミソな宣伝ですみませんが、この『パラダイス・ナウ』と、 『ミュンヘン』 (スピルバーグ監督)とを、それぞれ部分的に論じた拙論が刊行されました。執筆したのはだいぶ前、両者が公開されてすぐの今年のはじめでしたが、共著論文集のため刊行がいまになりました。
早尾貴紀「パレスチナ/イスラエルにおける暴力とテロリズム」
これが入っている論集は、 熊野純彦・麻生博之(編)『悪と暴力の倫理学』(ナカニシヤ出版、2006年) です。
映画論というよりも、二つの映画を切り口とした「テロリズム」論です。「邪悪なテロ/純粋な抵抗」という二項図式に陥ることなく、また「どっちもどっち」と相対化することなく、パレスチナ/イスラエルにおける暴力の所在について思考することにつとめました。ご関心のある方、ご一読ください。
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