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2016.10.25

【資料】国連人権理事会におけるイスラエル入植地ビジネスをめぐる最近の動き

Posted by:情報センタースタッフ

■2013年1月30日、国連人権理事会のイスラエル入植地に関する調査団、全入植地の撤退と入植地ビジネスの終結を要請する報告書(「A/HRC/22/63」)を公表。

【第96項】調査団によって集められた情報によれば、企業活動は直接的・間接的に入植地の建設と拡大によって可能とされ、推進され、そこから利益を得ている。前述したパレスチナ人労働者の権利侵害に加え、特定の人権侵害が懸念される多くの企業活動や関連事例を調査団は特定した。それらは次の諸点を含む。

○入植地と「壁」、それらの付随施設の建設および拡大を促進する機器や材料の供給

○入植地と「壁」、入植地に直結した検問所に対する監視・認証装置の供給

○家屋・財産の破壊、農地・温室・オリーブ畑・収穫物の破壊に用いられる機器の供給

○入植地で操業している企業へのセキュリティサービスや機器、材料の供給

○交通機関を含め、入植地の維持・存続を支えるサービスや事業の提供

○住宅や事業展開のためのローンを含め、入植地およびその活動の発展・拡大・維持を支援する銀行や金融活動

○営利目的による自然資源――とりわけ、水と土地――の利用

○パレスチナの村々への汚染物質や排水、廃棄物の投棄・移送

○パレスチナ人の金融市場・経済市場に対する拘束、また、移動制限や、行政的・法的な諸制限によるものを含めた、パレスチナ企業を不利にする諸実践

○入植地の発展・拡大・維持を目的とした、入植者が完全に、あるいは部分的に所有する企業による利益や再投資の活用

【第117項】民間企業は、自らの活動が人権に与える影響を評価し、国際法、並びに、「企業と人権に関する指導原則」に従い、パレスチナ人民の人権に悪影響を与えないようにするために必要とされるあらゆる手段――入植地から得られる企業利益を終結させることを含む――を講じなければならない。調査団はすべての国連加盟国に対し、入植地内、あるいは入植地に関係する形で活動を行っている企業が各々の国有・国営企業を含め、自分の領土内にあり、および/または、その司法権が及ぶ範囲内にあるときには、これらの企業が活動全体を通じて人権を尊重することを確保するために、適切な措置を講じるよう要請する。調査団は、人権理事会の「企業と人権に関する作業部会」がこの問題に取り組むことを勧告する。

■2013年3月22日、国連人権理事会が上記調査団報告書の内容を支持するフォローアップ決議(「A/HRC/RES/22/29」)を採択(賛成45、反対1、棄権1)。日本政府も賛成票。

【第1項】「東エルサレムを含む被占領パレスチナ領におけるパレスチナ人民の市民的・政治的・経済的・社会的・文化的権利に対してイスラエル入植地が及ぼす影響について調査するための独立国際真相調査団報告」を歓迎し、そこに含まれる行動要請の履行を各々のマンデートに従って実行し、確保することを国連機関を含む全ての関係者に対して求める。

■2014年3月28日、国連人権理事会がイスラエル入植地に関する決議(「A/HRC/RES/25/28」)を採択(賛成46、反対0、棄権1)。日本政府も賛成票。

【第11項】全ての国に、・・・

(b)東エルサレムを含む被占領パレスチナ領に関して、ビジネスと人権に関する指導原則を実施すること、同指導原則および関連する国際法並びに基準において期待される行為基準に従い、自国が所有するかあるいは自国により管理されるものを含む、自国領域および/または自国の管轄権の下に本拠地がある企業に奨励するための適切な措置を講じること、そして、パレスチナ人に対する甚だしい人権侵害を犯すかあるいは寄与することを慎むこと、

(c)個人と企業に対し、経済・金融活動や入植地におけるサービス提供、土地・建物の購入を含む、入植地に関わる活動に関わることに伴う、金融上及び風評上のリスク、法的なリスク、加えて個人に対する権利侵害の可能性についての情報を提供することを求める。

【第12項】国連機関を含む全ての関係者に対し、「東エルサレムを含む被占領パレスチナ領におけるパレスチナ人民の市民的政治的経済的社会的文化的権利に対してイスラエル入植地が及ぼす影響について調査するための独立国際真相調査団報告」に含まれ、人権理事会によって決議22/29を通じて承認された行動要請の履行を各々のマンデートに従って実行し、確保することを求める。

■2016年3月24日、国連人権理事会がイスラエル入植地に関する決議(「A/HRC/RES/31/36」)を採択(賛成32、反対0、棄権15)。

【第12項】全ての政府に対し、・・・(c)イスラエル入植地における/に利益を与える金融取引や投資、購入、物資調達、融資、サービス提供、その他の経済活動・金融活動を含めた入植地関連活動に関わることの金融上、風評上および法律上のリスク――甚大な人権侵害や、個人の諸権利の侵害に企業が関与することになる可能性を含む――について、個人および企業に指針を提供すること、企業と人権に関する指導原則の履行のための国別行動計画の作成に際し、企業に対してこれらのリスクを周知すること、そして、東エルサレムを含めた被占領パレスチナ領において企業活動を行うことの高いリスクについて、政府の政策、立法、規則、執行手段が効果的に対処することを確実にすることを求める。

【第17項】国連人権高等弁務官に対し、・・・前述の報告書第96項に詳述された活動に関与している全企業のデータベースを作成し、毎年更新し、そのデータを国連理事会第34回会期に報告書の形式で提出することを求める。

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