パレスチナ人権センター(PCHR)レポート

ラファで、イスラエル軍がパレスチナ人の少年ひとりを殺害、23軒の家屋を破壊

One Palestinian child killed and 23 houses demolished by Israeli forces in Rafah

2003年11月11日

2003年11月10日(月)、イスラエル占領軍は、ガザ地区南部のラファ難民キャンプに軍事攻撃を行ない、パレスチナ人の少年ひとりを殺害した。また、ブロックO地区の攻撃で、23軒の一般人家屋と5軒の商業用店舗が破壊された。

PCHRの緊急調査によると、月曜の午後、イスラエル占領軍は、ブルドーザーを含む重装備軍事車両を使って、エジプト国境に近いラファ難民キャンプのブロックO地区に200メートルほど侵入し、激しい援護射撃のもと、同地区のパレスチナ人の住居とそのほかの民間の建造物を壊しはじめた。この軍事行動は午後6時まで続き、23軒の一般家屋と5軒の商業用店舗が破壊された。結果として、250人ほどで構成される42家族が住む家を失ったことになる。

PCHRのラファ現地ワーカーの報告では、これまでの度重なるイスラエル軍の砲撃のおかげで、これらの家の住人のほとんどは、すでに避難していたという。また、2人の子供を含む3人の一般人が負傷したが、その内、14歳のシャーディ・ナーイム・アブ・アンザは骨盤に実弾を受け、2003年11月11日(火)の朝に死亡した。ほかの2名の負傷者は、

1.アーベド・アーテフ・アブ・アル・サイード(14歳)=左手に砲弾の破片を受ける。
2.アフメド・ムハンマド・アブ・ハシシュ(27歳)=左手に実弾を受ける。

2000年9月にアル・アクサ・インティファーダが始まって以来、イスラエル占領軍は、同様の軍事行動によって、ラファで数百軒にのぼるパレスチナ人の家を破壊してきている。こうした軍事行動のすべてを、イスラエル当局は、保安上の見地から正当化しているが、そのような保安上の主張を裏付ける証拠はなく、過剰なまでの大規模破壊と、破壊行為が行なわれている地域の地理的な位置から考えると、ラファで行なわれているこれらの破壊行動は、エジプトとの国境に沿った広域にわたるパレスチナの土地を更地にして「緩衝ゾーン」を作り、同地域におけるイスラエルの軍事コントロールの地盤を固めるという、イスラエル政府の戦略上の方針を示していると見ることができる。

実際、この流れ(コンテクスト)の中で、イスラエル軍はすでに、エジプトとの国境に並行する形で、コンクリートと金属の壁の建設を始めている。この壁は、イスラエル軍が同地域にあったパレスチナ人の家屋を破壊し更地にしたのちに、イスラエルによって不法に押収された土地に建設が進められている。また、今回の2003年11月10日の軍事行動のほんの1カ月前に起こった、ラファ難民キャンプ全域に対する大規模な攻撃では、170軒以上の家屋とキャンプの公共インフラ設備がイスラエル占領軍によって破壊されている。

被占領地のパレスチナの一般市民に対して、現在も行なわれているイスラエル軍の行動は、国際人権・人道法に対する侵犯であって、PCHRは、依然として深い憂慮の念を覚えている。

これまで、PCHRは繰り返し、パレスチナの一般人の資産を破壊するイスラエルの政策に憂慮の念を表明しつづけてきた。これほどまでに大規模な一般人の資産に対する破壊行為  ──軍事上の必要性によって正当化されるものでもなく、一方的かつ不法に遂行されている行動── は、1949年の第4ジュネーヴ条約に対する著しい侵犯行為に該当する。

国際社会、とりわけ第4ジュネーヴ条約締約国が、パレスチナの一般人の保護を確実にするために介入することを怠り、今日まで来ていることこそ、被占領地パレスチナにおいてイスラエルが国際人権・人道法の侵犯行為をエスカレートさせていく大きな後押しとなっている  ──このことを、PCHRは重ねて言明したい。そして、被占領地のパレスチナの一般人と、一般の人々の資産の保護を確実なものとするために、即座に何らかの手段を講じることを、国際社会、とりわけ第4ジュネーヴ条約締約国に対して求めたい。

(翻訳/山田和子)


原文:http://www.pchrgaza.org/files/PressR/English/2003/131-2003.htm
One Palestinian child killed and 23 houses demolished by Israeli forces in Rafah

パレスチナ人権センター:The Palestinian Centre for Human Rights(PCHR)


特集:絶え間ない攻撃にさらされる街、ラファ